さいとう万紀子と羽生市わくわくまちづくり

埼玉県羽生市議会議員のさいとう万紀子のブログ。日々の様子やまちづくり活動を報告しています。

石巻市大川小学校と女川へのオンライン旅行

こんにちは、梅雨らしい週末ですね。

都道府県をまたぐ移動制限は解除になったけど、

まだ中々遠出は難しかったり、そもそも子どもと一緒だと制限されてしまったり、という方は多いと思います。

そんな中、防災ガイドをされているあんどうりすさん(→あんどうりすの防災・減災りす便り - あんどうりす の防災・減災 りす便り)のフェイスブックで、

語り部佐藤俊郎さんにご案内いただく、石巻市大川小学校と女川へのオンライン旅行】

というzoomを使ったイベントがあることを知り、今日、本当にさっきまでこのオンライン旅行に参加してきました。

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主催の「旅のよろこび株式会社」(旅のよろこび(株) 熊本の高齢者・障がい者の介護旅行・介助旅行の専門会社)は高齢者や障害のある方への旅の提供をメインとされているとのことです。

我が家は夫が車椅子なので、ぜひ次回はオンラインではなくリアルでお願いしたいな。

石巻市立大川小学校」、名前は絶対に聞いたことがあると思うし、

私も現地に足を運んだことはないけれど、震災についての新聞やホームページで何があったかはもちろん知っていました。

今日、オンラインで旅を案内してくださった佐藤俊郎さんは、

教員をされていて、『大川伝承の会』『小さな命の意味を考える会』の代表でもあり、

そして大川小学校で娘さんを亡くされた方でもあります。

オンライン旅行なので、佐藤さんは現地大川小学校にいて、その様子を私を含めた参加者は映像で見ているんだけど、

実際に佐藤さんに大川小学校を案内してもらい、お話しを聞いて、「私は大川小学校について何も知らなかった」と、心の底から思いました。

宮城県石巻市大川小学校についてウィキペディアでは、以下のように説明しています。

2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)に伴う津波が本震発生後およそ50分経った15時36分頃、三陸海岸追波湾の湾奥にある新北上川(追波川)を遡上してきた。

この結果、河口から約5kmの距離にある学校を襲い、校庭にいた児童78名中74名と、教職員13名中、校内にいた11名のうち10名が死亡した。その他、学校に避難してきた地域住民や保護者のほか、スクールバスの運転手も死亡している。

学校の管理下にある子どもが犠牲になった事件・事故としては戦後最悪の惨事となった。

震災を経た現在の大川小学校は、周りの住宅街も全て流され、周りに何もなく、寂しい場所でした。

けれど、佐藤さんが見せてくださった震災前の大川小学校の写真。

児童が笑っている教室や、きれいに整備された中庭、校庭を走り回る子どもたち、運動会の様子、大川小学校の児童はみんな一輪車が得意だったそうです。

大川小学校は、震災があって不幸な特別な小学校ではなく、

そこは震災直前まで「子どもたちが遊び、学んで生活していた普通の場所」だったんです。

大川小学校では、すぐ裏に山があったにも関わらず、震災発生後長い時間みんな校庭にいて、襲ってきた津波に巻き込まれてたくさんの犠牲が出てしまいました。

震災当時、校庭にいた児童や先生の中にも「山に避難しよう」という声があがったし、山に行こうとした児童もいたそうです。

けれど「勝手なことをしないで戻れ」と先生に言われ、結局みんなで山に避難することはなく、津波にのまれてしまった。

佐藤さんは、娘さんを含む何十人もの遺体があがった交差点も案内してくださいました。

なぜ校庭い続けたのか。なぜ山に行かなかったのか。防災マニュアルはどうなっていたのか。

佐藤さんは自身教員をされているので、遺族としての気持ちも分かるし、学校の気持ちも分かると話されていました。

いざというとき何を最優先するのか、組織の意思決定についての問題もあるし、

また佐藤さん自身も学校で避難訓練は行っていたけど、それは「自分」や「娘」を入れていなかった、ともおっしゃっていたし、

大川小学校では防災マニュアルが長い間放置されていた、ということもあったそうです。

本当にたくさんのことが重なって、多くの犠牲者が出てしまった。

防災とは恐怖を煽るものではなく、本来ハッピーエンドであるためのもの。

大川小学校のことは「仕方がなかった」「かわいそうなことが起こった」で終わらせるのではなく、

いざという時にしっかり判断し行動に移せるようにするだし、大川小学校で何が起こったのか伝承していくことが必要。

また周りの言葉や違う意見に耳を塞ぐのではなく、どんな場であっても色んな意見を言え、受け入れることのできる空気が大切だし、そういう社会を作っていくことが大切、という佐藤さんの言葉が本当に印象的でした。

zoomを使ったことがある方は分かると思うのですが、

最初私は参加者としてビデオをオンにして顔出ししていたのですが、

私自身も小学生の保護者であることや、初めて知る大川小遺族である佐藤さんの言葉に、

始まって5分で涙が止まらなくなり、あっという間にビデオはオフとなりました。

けれど辛いからといって蓋をするのではなく、

しっかり向き合って今後の羽生市の防災に活かしていくこと、

子どもたちにきちんと伝えていくこと、

また自己責任ではなく寛容な社会を作っていけるための活動もしっかり考えていきたいと思います。

大川小学校のお話しを聞くことができて、本当によかったと思います。

こちらは佐藤さんか代表をつとめてらっしゃる団体です。

【小さな命の意味を考える会】→小さな命の意味を考える会

ぜひ読んで、一緒に考えてもらえればと思います。

佐藤さん、今日はご案内本当にありがとうございました。