さいとう万紀子と羽生市わくわくまちづくり

埼玉県羽生市議会議員のさいとう万紀子のブログ。日々の様子やまちづくり活動を報告しています。

12月定例議会 一般質問その3

益々寒さが厳しくなってきましたね。

次男が通う保育園のもみじが本当に見事なんですが、そろそろ見納めですね🍁

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前回までは今年の台風19号に関する対応と、今後の災害対応に関しての質問でしたが、

3つめの質問は台風で流れ出た除染土(汚染土)に関してです。

大きな大きな被害をもたらした東日本大地震から、もうすぐ9年。

先月末に、宮城県女川原発が安全審査を合格した、というニュースもありましたが、

福島の事故後に除染された汚染土は、いまはどこにどの位あるかご存知でしょうか?

実は最終処分の量を減らすため、環境省は除染土を全国の公共事業で再利用する計画を示しています。

道路の盛土材から農地のかさ上げまで、私たちの知らないうちに除染土が身近なところで使われる可能性はないのか。

もちろん最終処分に関してはしっかり考えなければいけないけれど、

集中管理が原則の放射性物質物資を全国にばら撒いていいのか。

自治体が「最終処分」を担うことになるのでは?など、

調べていても?(はてな)だらけの問題です。

以下一般質問の3項目の原稿ですが、とにかく除染土の問題は「国のエネルギー政策」に繋がっていて、

それってつまり、私たちの毎日の生活のことなんですよね。

大前提として、福島の問題ではなく、私たち1人ひとりが答えを出すべき問題で

ぜひ読んで一緒に考えてみてもらえたらと思います。(答弁はまた後日書き足していきます🙇)

 

2011年に原発事故が起こり、現在もその様々な影響や問題、例えば汚染水の問題や健康被害について、収束が見えないままとなっています。放射能汚染が広がり、生活空間の線量を下げることによって放射線被ばくから身体を守る目的で、放射性物質あるいは放射性物質が付着したものを除去することをに除染といいますが、その除染で発生した除染土壌は、福島県内だけで1400万立方メートルとされ、フレコンバックという黒い袋に詰められうずたかく山積みにされています。環境省は最終処分するこの除染土壌の量の減少を目的に、福島県内で除染などにより発生した土壌、廃棄物を土木工事などに再利用可能とする試算を2019年3月に提出しました。

環境省は「用途に応じて適切に制限した再生資材を、安全を確保しつつ地元の理解を得て利用することを目指す。具体的には管理主体や責任体制が明確となっている公共事業等に限定」とし、用途先として道路、鉄道、海岸防災林、防潮堤の盛土材、土地造成、そして農地のかさ上げ材などを挙げています。

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(参考  クローズアップ現代 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4259/index.html

再利用にされる予定の除染土は8000ベクレル以下とされていますが、原発施設などから発生する低レベル放射性廃棄物は、ドラム缶に詰めて厳重に管理、処分されることになっていて、原子炉等規則法に基づくその再利用の基準は100ベクレルです。つまり今回の除染土壌再利用の場合、その80倍の8000ベクレルが基準となっていて、環境省はこれを全国で再利用させる方針です。またこの8000ベクレルという基準を決定した検討会議は非公開だったため、安全基準の根拠さえも示されてはいません。

 

そして今回の台風19号の大雨の影響で、除染で出た廃棄物をいれたフレコンバックが福島と栃木の仮置き場から90袋流出し、うち11月4日時点ですが、36袋見つかっていない、とのことでした。見つかったものも空の状態のものも多く、つまり管理されていた除染土壌や廃棄物が川や大気中に飛散したということです。

またこの台風の影響で、福島県で実施されている実証実験の試験盛土が崩れ、水につかってしまったとの報道もありました。

再利用する場合、工事中においては現場作業員や通行人の被ばくも懸念材料となり、集中管理が原則の汚染物質を逆に拡散させていることとなります。そして公共事業への再利用とはつまり、除染土壌、汚染物質の「最終処分」ということとなり、住民だけでなく未来へ向けてどう責任をもつのかが自治体に問われることになります。

相次ぐ大規模災害に見舞われる日本で、除染土壌を再利用することは危険極まりなく、ましてや市民が知らないまま除染土壌が身近なところで使われているということは、絶対あってはいけません。

そこでお伺いします。

 
1)国、県、自治体内での除染土に関する情報の共有について

    ↓

除染土壌の管理については国の環境省、再利用の窓口は国土交通省と埼玉県と考えられるが、これまで国や県を通じて「除染土壌の再利用に関する情報」は一切なかった
2)これまで羽生市では除染土を受け入れ再利用したことがあるのか、

    ↓

情報すらないので、これまで受け入れたり再利用したことはないと認識している

3)どこに利用し住民への説明はあったのか

    ↓

受け入れ、再利用はしていないので、住民説明は行なっていない

4)再利用した(する)場合、環境への影響に関してどう考えているのか

   ↓

国は現在再利用に関して実証実験を行なっている状態なので、この結果や専門家の検討を踏まえた国の見解が明らかになった時点で、市としての判断をすることになる